月見茶

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君の目を見つめると
 
 薄暗い部屋に似合わない清潔感に溢れた寝台の上に二人の少年がいる。
 押し倒されたままの姿勢でいる玖蘭は何をするでもなく自分の上にいる相手をぼんやりと眺めている。
 玖蘭見ている少年、有弥はじっと彼を見つめていた。遠慮ない力で、玖蘭の両頬を両手で掴んでも彼は、瞼が動いたくらいの反応しかしなかった。
「ねえ、玖蘭」
 有弥は玖蘭の瞳を覗き込む。
 紫水晶の瞳には有弥の顔が映し出されている。紫と黄色が混ざった色合いをした瞳が玖蘭の視界いっぱいに入ってくる。しかし、玖蘭の頭にその情報は入ってこない。
「俺を見てよ」
 有弥はまだ玖蘭の目を見つめている。反応があることを何処か期待した。
 玖蘭は何の反応も示さなかった。徐々に瞼が落ちていき、有弥から逃げるようにして目を閉じた。
 
 小さな寝息が聞こえてきても、有弥はまだ玖蘭を見ていた。

4/7/2026, 9:24:00 AM