月詠

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「今回は!珍しく!50点をとれたんだぜ!!」
そう自慢げに語るのは、僕の唯一の友人だ。

見た目通り…と言ってはなんだが、ヤンチャであまり成績が良くない。
(初めて会った時、僕は親の仇か?ってレベルで睨みつけられたのを覚えている)

「おめでとうございます、今回は普段以上に頑張っていましたものね。」

「ふーん!お前が勉強教えてくれたからな!俺はやればできる子なんだぜ!」


…いいなぁ、50点で褒められて。

「……?おーい、聞いてるのか、?」

「、!すみません、考え事をしていました。どうしました?」

「だーから、お前の点数はどうだったんだよ?」

「私…私は…95点でしたよ。」
───────「100点じゃなければ意味が無いのよ」

思い出す、嫌な記憶。



「95?!すげぇ…やっぱお前には敵わねぇや!」

「ふふ、ありがとうございます。」





彼と居る時だけは、浸ることができる、
優越感。

ふとしたときに思い出す、
劣等感。

7/13/2024, 11:29:54 AM