チルチルミチル

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僕がもし、命が燃え尽きるまで戦ったとして、
君は、喜ぶのだろうか

ふと、戦闘間際のもう、終盤戦になった頃に思った。

戦いの最中にこんなことを考えるなんてバレたら
剣術を教わったあの人に怒られそうだけど、僕は思う

君が喜ぶ顔が見たいと、
その一心で戦闘の最前線に出て、
周りからは沢山の異名を貰ったがどれも嬉しかない。

いつか君が安心して、生きれるようにと
その為に僕の命は失っても造作もないと考えていた。

君と出会ったのは、もう何十年にも遡ることになる
けど、こんな僕の小汚い身分とは正反対の君は、躊躇い無しにお腹が空いて死にそうな僕を助けてくれた。

大根の甘酢漬けが好きとかいう共通の話題から、
もうどのように仲良くなったのかは覚えていないが、
君を全身全霊かけて護りたいと、この数年後
強く思った時のことはよく覚えている。

僕たちは歳を重ねることに比例して、身分の差という何をしても逆らえない、この隙間を実感した。
周りは、君の身分に羨ましいと言っていたよ。

けれども、身分が僕よりずっと上の君は
いつでもつまらなそうな顔だった事はきっと、
僕しか知らないだろう。

自惚れているわけではないが、僕と木の上で真っ白な猫を2人で助けてやった時の方が楽しそうだった。

だから、変えてやりたかった。
きっと、この戦いが終われば、
僕たちはまた一緒に甘味処で、
君が好きな団子を食べれるだろう。

けど、この戦いももう終わりそうだ。
僕はヒーローじゃないから、夢を語るだけで
必ず君の為にこの戦いに勝って、
君を助けてやる事は出来なさそうだ。

ああ、どうか、自己中な僕を許して欲しい。
多分僕は、君を守るなどという理由をつけて、
この戦いで死ぬだろう。
君を守れずに、君が悲しむ姿が想像つくよ。

君を泣かすのは、君が次の女帝になると決定し、
別れを告げた時の一度だけだと思っていたのだが、

2回も君を泣かしてしまう僕はきっと、
地獄へ行くだろう。

なあ、そんな俺をどうか許してくれ。
君を護る為に、
この命、燃え尽きるまで其方に尽くそう。

#命が燃え尽きるまで




9/14/2023, 2:30:16 PM