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言葉にできない違和感がその門から染み出している。風に揺られてギィギィ嘆くような蝶番の音が響き渡る。美しい装飾の跡が月日に彩られたサビとくすみに化粧され、その中にたしかに美しさが垣間見える。ハタハタとその上に鳥が止まって音に重ねるように嘴からさえずりを放ち始めるとますます違和感が脳を刺激する。悪意の塊のようなその音は苦しみを引きずりだすように刺激するのに吐き気のするような美しさを感じて嗚咽が出た。よろよろと荷物を抱えて門へと近づいていく。無意識の中で理解したかのようにくすんだ色のベル二手をのばす引くと何とも言えない音が重なる。ガタガタと抱えた荷物が震えたところで目覚ましの鳴り響く音に助けられた。昨日の夢は門の前までだった、明日はどこまで近づくのだろう。あの門の向こうが思い出せない。

4/11/2024, 11:25:10 AM