「ねえ、今のって流れ星?」赤らむ空を見上げて、あの子はそう言った。彼女の大きな瞳に夕暮れ空の赤が反射して、りんご飴みたいだったのを覚えている。夕方に流れ星なんてあるわけないのに馬鹿だなって、2人で笑った。あの子はその後事故に遭い、私達にとってそれが最後の思い出になってしまった。何故だろう。心なしか、今日は一段と空がキラキラして見える。まだ、夕方なのに。「ねえ、今なら見えるよ。流れ星」一緒に見たかったのに、馬鹿。
10/1/2023, 12:10:21 PM