NoName

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蛆でも沸きそうな部屋で、牛乳パックの中身を口に含んだ。君は今頃、落ち着いて珈琲でも飲んでいる頃だろう。喉を鳴らして飲み込む。君の好きなキャラクターのキーホルダーが視界に入る。目を逸らさず、じっと見つめる。同じ時間を共にした、言葉を重ねた、思考を交わした、その事実だけは不変である。どんなに離れていようと、君との間には一対一の対峙があって、その間に誰も割り込むことはできない。
都合の良い考えを浮かべながら、今日も残像を抱きしめて暮らしていく。

4/26/2025, 1:52:23 PM