るに

Open App

ペラペラとページをめくる。
木漏れ日が差し込む、
妙に神秘的なこの空間で
私は何をしたいと思うだろう。
人生という名のページを
また1枚めくる。
忘れたくない本。
忘れたい本。
色んな本が混ざって
また1つの本になる。
少し家にいるのが窮屈で、
なんとなく夜まで外にいたかった。
本は好きだ。
時間も嫌なことも
全部忘れてファンタジーにのめり込める。
ちょっと眠くなってきて
ベンチで寝て
起きたらなんか、遺跡にいた。
そこには1冊の本があって
木漏れ日を浴び
綺麗に置かれている。
たくさんの事が書いてあった。
自然と一体化し生きていたこと。
木々がとても大きかったこと。
色んな妖精がいたこと。
魔法を使う人ではない者がいたこと。
しかしその者らは
時代と共に力を無くしていったこと。
後世に伝えたいとは思ったけれど
途絶えてしまったこと。
この人たちは
この生活がいつまでも続くと思ってたのに
無くなってしまったんだ。
そして忘れ去られ、
空想上の者となってしまったんだ。
"Good Midnight!"
誰かが覚えておくことで
確かにそこに居たという証明になる。
私はその本を胸に抱きしめて
また人生のページをめくった。

9/2/2025, 4:20:51 PM