静かな情熱。
※転載用にルビを使ってます。
だいたいが当てはまると思う。
人の作った物全般的に、このような冷めやらぬ熱とやらが込められていると思う。
静物、人工物、機械、部品に至るまで、時代を問わず始終汗を垂らし、労働力として捧げてきた。肉体労働問わず、頭で主に行う計算でもそうである。
経済学や文学、広告デザイン、動画、色の配置、キーセンテンス、会議、朝礼当番など、制限時間ギリギリになるまで、もしくは丁々発止と激論を交わし、何かとともに押し込めるように時間を押し込み。
そうやって静かな情熱を込めてこれまでやってきたのだ。
分かりやすい情熱と分かりにくいそれがあって、後者に当てはまるだろう。静かな情熱……、この場合の静かとは、熱の温度ではなく、耐熱容器の性能の高さによるだろう。水筒の魔法瓶の構造のように、中身の温度を|逃《にが》さず|逃《のが》さず。飲む瞬間に解き放つために。そうやって耐え忍びを堪え、力を蓄えるように堪え、純度の高い硬質の火成岩を、マグマ溜りのすぐ近くに据えている。
だが、少し思うのは、この場合の情熱には果たして質量があるのだろうか、ということだ。
だいたいの人工物にこの静かな情熱が込められているのであれば、時代の変遷とともに軽くなるのではないか。
人間の指先すら不要になる。指輪に嵌められた人工サファイアもまた輝かしいように、光では真贋の見分けはつかない。
特に今後はAIが主流となるらしい。
最近は、ファクトチェック、ファクトチェック――とAIに命令して、人間の傲慢な勘違いを見つけて嘲笑っている。
2030年頃には万能AIが登場するのでは、とされている。プロンプトを打て。さすれば15分程度の動画が自動的に生成される。
ただでさえ情報の氾濫と呼ばれる昨今。自動的botのようにまとまった文書がとめどなく溢れ出てくると、様々な陰謀論がネット中を歩き回るだろう。
そうやって、静かな情熱は、賑やかな冷徹で以てネットの海が再構築される。
モーセが海を割る。
そのような先導者が現れる限り、いつまでも氾濫は収まらない。
魔法瓶はどこに漂流している?
魔法瓶はどこのドイツが持っている?
AIに聞かねばいちいち動かない頭。アタマウチ。
4/18/2025, 9:59:37 AM