海喑

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俺は机の中に、スケッチブックとかを入れようとして、引き出しを開ける
すると手紙が入っていた。あれ、と思ったが、それが友とかにバレると色々と面倒だから
すぐにバッグの中にしまった。
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授業と部活が終わり、俺は家に帰った。今日は珍しく学校に海暗が来なかったから、一人で帰った。
その道中の夕日が綺麗だったこと、狐の嫁入り、天気雨になったこと。
このことを海暗に伝えてえなって思いながら手紙の封を開けた
綺麗な文字で、こう書かれていた。
「夜風くんへ。
私は君に伝えたいことがあって、この手紙を書きました。
私は何れ、君の事を忘れてしまうかもしれません。
私は君の事、ホントは忘れたくなんかないんです。
なのに、日を重ねる毎に色んな記憶が水滴のように零れ落ちていくんです
私は君を忘れたくないから、日記を書いたりしてるんです。
だけど、そのこと自体忘れてしまうかもしれないんです
君に私は何回も救われてきました。そしてこれからも救われるかもしれません
なのに、それのお返しを出来ずに、忘れてしまう
こ君にもう会えないかもしれません。
君との幸せだった日常はもう取り戻せないかもしれません。
そんなリスクのある私と、昔の私と同じ感じにいてくれますか?
私が君を忘れても、見捨てないでいてくれますか?
このことを私は伝えたかったんです。聞きたかったんです。
それでは、また今度
海暗より」
俺はこの手紙を読んだ時、
どうしてこの事をこの時まで言ってくれなかったのか
疑問だった。
俺はペンと手紙のセットを机から出して、返事を書く。
俺にも、海暗に伝えたい事、山ほどあるからな。返事と一緒に伝えたいことを書こう。
─伝えたいこと─

2/12/2023, 11:33:06 AM