月のない夜だった
ふと机を見ると、一通の手紙が目に入った
それは私が貴女に送るはずだったもので
手紙を開くと「愛している」とだけ書かれていた
私は少し前まで、確かに貴女を愛していた
貴女といるだけで幸せだった
私はその幸せを愛せなくなってしまった
別れ際、静かに泣く貴女を見ても
涙を流すことなんてできなかったのに
どうして今になって涙が出てくるのだろう
もう貴女を愛せない
後悔しても意味などないのに
私は「愛している」の文字を消し
送ることのない手紙に言葉を綴った
"貴女へ、本当にごめんなさい"
"今まで私を愛してくれてありがとう"
"どうかお元気で、さようなら"
5/5/2025, 3:05:09 PM