浜辺 渚

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高校生の頃、僕は1日の半分を大学受験の合格を妄想することに使っていた。
ある夏の日の自習室の帰り、自転車に乗りながらいつものごとく、難関大学へ合格し周りに賞賛される妄想をしていた。夜空を見上げながら、お願いだから成功するようにと祈っていた。その時、流れ星が2.3個夜空を遮っていった。目のゴミとか、飛行物体との見間違えとかそういう疑いは無かった。それはあまりにも、クッキリとした光の尾を引いていたからだ。
家に帰ると、直ぐに流星群の日付を確認した。ちょうどペルセウス座流星群が極大になる時間帯だったのだ。
僕は確かに、流れ星の最中に願い事を唱えていた。それは、天上の力に頼ると言うよりは、もっと純粋な形での願いだった。これで合格しなかったら、今後の人生で超常的なものを信じることは無いだろうと思った。
そして月日は経ち、僕はくだらない結末を辿っていった。どんな象徴的な伏線だって、現実世界ではなんの意味もなさなかった。結局のところ、それらは我々の捉え方であり、感じ方なのだ。

2/10/2025, 2:58:38 PM