ハッピーエンド
鳴り響いた喝采は、僕らの偉業を称えるもの。
世界の平和を取り戻した勇者一行に相応しい盛大なセレモニーが開かれたその場で、国一番の美姫であり恋人である人と抱き合い、仲間や国民に祝福されながらこの先の幸せを思う。
でも、僕は知っている。
これらは全て魔王が行った暇つぶし。彼は倒されていないし、世界は平和になっていない。そもそも僕を勇者だと示した国王自体、魔王が化けたもの。本物はとうの昔に土の中らしい。
道理で出来すぎているわけだよなぁ、と思ったのは秘密の話。種さえ分かれば不思議でもなんでもない。
作り物でもない限り、こんな結末は訪れないんだから。
3/29/2023, 1:03:52 PM