子どもの頃、なぜか砂時計を見るのが好きだった。
砂が下にさらさら落ちると、真ん中に凹みが生まれる。その凹みがじょじょに広がってカルデラのようになるにつれ砂のかさが減っていく。下にはなだらかな円錐形の山ができている。
最後の砂がカーブをつたって流れ落ちるのを見届けると、逆さまにしてもう一回。飽きずに眺めていた。
三分間。
今ならそんな短い間でも集中して見ていられるだろうか。
それでも、久しぶりに砂が落ちる様子が見たい。歯磨きのときにひっくり返してみようか。
『逆さま』
12/6/2023, 12:38:35 PM