「いつかこの時が来るってわかってたけど、やっぱり来たら来たで寂しいね。」
もう相方じゃなくなる相方が寂しそうに言った。
「うん…。私たち、もう会えないのかな?」
そんな望んでもないことを言う相方。
「そんなことないよ!また会おうと思えば会えるって!」
私は彼女を元気づける。
「そう…かな…、そう…だよね!そう思ってればまた、会えるよね!」
不安な気持ちが薄れたのか何か吹っ切れたように笑顔をみせる。
「また会えるなら、さよなら、は要らないね。」
確かに、と納得。
「確かにそうだね!じゃあ、それは言わないでおくよ。」
「じゃあね、相方」
「じゃあね、相棒」
これが私たちの最後の言葉で最後の会話になった。
来世でも、彼女と会えますように。そう思いながら眠気に身を任せて。
『さよならは言わないで』
12/3/2023, 1:24:33 PM