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仕事帰り、いつもの商店街のいつもの人達。
寂れた、と形容に値する僕の地元は青森にあって、どこの地方都市でもよくある若者の地元離れにより活気を無くしつつあった。
賑わっていた商店街、行列の出来る新店舗、がやがやとしていたであろう街並みは面影だけを残している。
きっとこれから人口が少なくなって、子供たちの遊ぶところも消えていってしまったなら、僕もここを離れる選択をすることがあるのかもしれない。
物思いにふけりながら歩いているとお兄ちゃん、と店のお姉サマから声がかかった。

今日寒いからね、温かいもの食べるといいよ!コロッケ、温かいよ!

何とも唐突な客引きに内心驚くも、小さなテーブルに乗せられた保温器にはいくつかコロッケと、紙コップに入った唐揚げがあって、それは柔らかなオレンジ色を纏っていた。





寂れていて、活気を無くしつつある、昔の面影だけを僅かに残した商店街。それがあるのが僕の地元。僕の住む街。
手には紙袋に入れられたコロッケがあった。

10/6/2023, 10:32:43 AM