401

Open App

「あれ…ラムリがいない…」
いつもなら掃除してるはずの彼の姿が消えていた。
「どこ行ったんだろう…?」
周りをキョロキョロしていると足音が聞こえた。
「はぁ…、なんだか悪い夢見ちゃったなぁ…」
「あ、ラムリ!!」
足音の正体はラムリだった。
「あ、主様…。」
少し浮かない顔をしている彼。
「どうしたの?ラムリ、」
「いえ、なんでもないです。」
そう言って笑う彼。
「主様こそどうしたんですか?」
「あ、えっとね…、」
少し照れながら花束を見せた。
「こ、これ…ラムリに…」
「!…薔薇の…花束ですか…?」
「うん。ラムリにあげたくなってね。」
「!!!」
ラムリの顔がぱぁぁあっと明るくなった。
花束を受け取ったラムリは笑顔で言った。
「ありがとうございます!主様っ!!」
「ふふ、良かった。」
その時、窓から桜の花びらが入ってきた。
「あ、桜も満開ですよ。主様!」
「そうだね。」
今年の私の春は春爛漫に咲く。
それは隣にいる彼のおかげだろう。
私はニコッと笑って言った。
「いつもありがとう、ラムリ。
 来年も…私に春を咲かせてね。」

4/10/2024, 10:43:26 AM