「あれ…ラムリがいない…」
いつもなら掃除してるはずの彼の姿が消えていた。
「どこ行ったんだろう…?」
周りをキョロキョロしていると足音が聞こえた。
「はぁ…、なんだか悪い夢見ちゃったなぁ…」
「あ、ラムリ!!」
足音の正体はラムリだった。
「あ、主様…。」
少し浮かない顔をしている彼。
「どうしたの?ラムリ、」
「いえ、なんでもないです。」
そう言って笑う彼。
「主様こそどうしたんですか?」
「あ、えっとね…、」
少し照れながら花束を見せた。
「こ、これ…ラムリに…」
「!…薔薇の…花束ですか…?」
「うん。ラムリにあげたくなってね。」
「!!!」
ラムリの顔がぱぁぁあっと明るくなった。
花束を受け取ったラムリは笑顔で言った。
「ありがとうございます!主様っ!!」
「ふふ、良かった。」
その時、窓から桜の花びらが入ってきた。
「あ、桜も満開ですよ。主様!」
「そうだね。」
今年の私の春は春爛漫に咲く。
それは隣にいる彼のおかげだろう。
私はニコッと笑って言った。
「いつもありがとう、ラムリ。
来年も…私に春を咲かせてね。」
4/10/2024, 10:43:26 AM