「大好き」
そう一度でも抱いた感情は、きっと、心のどこかで永遠に残り続ける強力なものなのだろうなと、ふと思った。
幼い頃に好きだった食べ物、数年前まで耽溺しきっていた推し、初恋の人、生活を共にしていた動物。アニメ。デパート。今昔の感に浸り思い返してみれば、私の人生には、常に数多の好きで溢れかえっている。好きに対する熱量の度合いが変わっていても、やっぱり、少しは好きだなと思う。物にも人にも場所にも思う。
これは、愛でもあり、呪いでもある。いつまで経っても、忘れられるわけも、嫌いになれるわけもない中で、苦い思い出の際に負った心の古傷に触れてみては、こんなに深かったんだと再確認させられる日々に、時々寂寥を感じる。これが人生かと思うと、世の人間は、どれだけ甘酸っぱい思い出と悲愴を抱えて生きているんだろうと思う。壮大すぎて、怖くなってしまった。
3/18/2025, 3:27:38 PM