「ねえねえ聞いて。昨夜さ、突然元カレから連絡があってさ」
「元カレって、去年喧嘩別れしたあの人?」
「そうそう、お互い愛想尽かして別れたのにさ、俺、失恋してからずっと寂しくて…だってさ」
「なにそれ、被害妄想なんじゃないの?」
「でしょ?寂しかったのはあんただけじゃないっつーの」
「え?どゆこと?」
「そりゃ、私だって寂しかったよ。急に一人になったんだもん。まあ、あなたがいてくれたから乗り越えられたけどね」
「彼氏と別れた途端、電話してきたじゃん」
「そーそーあの時はごめん。失恋ってこんなにツライんだって、初めて知ったの」
「それで?どーすんの?」
「うん、しばらく話してね、お互いがお互いを必要としてるって気付いたの。もう一回やり直そうって」
「へー、大丈夫?今度はうまくやれるの?」
「ブランクが長かったからね。想いも最高潮」
「そーゆーのが一番怪しいんだけどね。またすぐに冷めちゃいそうで」
「そんなこと言わないで応援してよ。友達でしょ」
…そーか、僕は、友達か。
そりゃそーだよな、たくさん相談にも乗ってきたもんな。
君を慰めて励まして、笑わせて、彼を忘れさせて。
失敗だったか。やっぱりアイツには勝てなかったか。
失恋ってこんなにツライんだって、初めて知ったよ。
去年まで、君のことなんか何とも思ってなかったのに。
6/3/2024, 1:41:16 PM