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2023/2/25
物憂げな空模様だ。空飛ぶ龍さえ地に落ちる。
「あの。質問よろしいか?」
前を向いて歩いていた男が栄の方へと振り向き聞いた。ああ、泣きそうな空だ。
「雨が降り出すまでなら良いですよ。」
鈍色の空にある龍の軌跡を惜しみながら答えた。(早く龍の元へ行かなければ。)
焦りで栄の歩を進めるスピードが速くなる。
「龍は見つけ次第狩れば良いのでしょうか?」
男の口調は穏やかなのにも関わらず言っている内容は過激だ。
「何を!そんな不敬を働いてはなりません!!」
「不敬?」
「そうです。神を殺すなど…。人間如きがわきまえなさい!」
ポツリ ポツリ 
そうら空が泣き出した。
「我々が成すべきは龍を空へ無事に帰すこと。くれぐれも心違いをなさいませんよう。」

2/25/2023, 12:02:51 PM