深夜徘徊猫

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「一輪の花」

「あの子って高嶺の花よね。」

もっと褒めてほしい。私の花は素晴らしいのだから。

 この世界の人々はみんな「花」を持っている。複数の人もいれば、一輪だけの人もいる。勉強の花。スポーツ選手の花。大金持ちの花。

 最初はつぼみ。でもその才能が咲くと花も同じように咲く。才能が花開く。

 基本的に複数花を持っている人にばかりみんな寄りつく。

 残念ながら、私はどの中でも例外で花を持っていない。でも、今は一輪持っている。私はこの花の名前を知らない。でも、名前がないということは名もなき才能。なんだかすごそうじゃぁないか。

 私のお友達がくれた一輪の花。その友達はそこまで凄くもない花ばかりだったけれど私にくれたのはありがたい。彼女はこの花の凄さをわかっていない。

 私の花は世界一なのだ。

 花が腐った。訳がわからず友達に問い詰めた。気づいたんだ。私の周りにいた人々が全員持っていた花は口車の花。乗せられた。一輪の花達は私の性格も共に腐らせたのだ。

………
口車は口先だけの言葉という意味だったはず…。

2/24/2025, 3:25:54 PM