shiro

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足音

それは自分が今前に進んでいる証であり、同時に何かが迫っているという不気味な存在でもある。新しい自分への象徴、ホラー映画における1つの技法といった捉え方もあるだろうか。捉え方は様々だ。
私にとって足音は自分の存在を確認する1つの手段である。しかし私は自分の足音が聞こえなくなってしまう時がある。勉学に追われ、社会に飲まれ、人に飲まれ気がつけば足音などしなくなってしまうのだ。これは一時の気の迷いや情緒だとわかっている。それでも抗えないのだ。以前に比べれば随分と感情的になったと思う。猫を被っていた頃に比べればいいことだが、まさか感情に支配されてしまう時が来るとは思わなかった。

何気ない音かもしれない
それでもここまで文章が書けるのだ
この世界は何気ない音で満ち溢れている
そして個々の音色を奏でているのだろう
たまには何気ない音に耳を傾けてみるのもいいかもしれない


「足音」

8/18/2025, 12:26:48 PM