you

Open App

岐路、とは。
1 道が分かれる所。分かれ道。
2 将来が決まるような重大な場面。
3 本筋ではなく、わきにそれた道。

岐路。社会人となるまで何度も立ち会ってきた、らしい。
流されるように大人になった自分には、"将来を決める重大な場面"というよりも、"数ある分かれ道の中から舗装された安全そうな道を選ぶ"。そんな意味合いが強かったのかもしれない。

学生に対して節目節目で「ここが人生の岐路だぞ」なんてよく言うが、社会人になったとて公私共に自分の人生を左右する分かれ道なんて多数存在している。
確かに、最初の選択肢で最良を選び取れれば、その後の人生も安泰だろう。しかし、「人生の岐路」とまで言われてしまうと、"ここで誤った選択をしてはならない"、そんな圧に潰れてしまうことだってある。それは選ぶその時だけではなく、選んだその後、遅効性の毒のようにじわじわ侵食してくる。選んだその先が思い描いたものではなかった時、「あの時あっちを選んでいれば」そんな呪いのような思考に支配されることだって十分にありうる。

岐路。
将来を決めるような重大な場面。

人生は後戻り出来ない。そんな意味を含めるなら自分の歩んだ道を後戻りすることだってできない。それならば、己が歩んできた道に囚われずに、全くの新しい道を選び続けていく方がよっぽど健全だ。
選んだ道はどこか別の道に通ずるものだし、たとえ行き止まりだとしても、道ならば開拓することだってできる。

岐路。
ただの分かれ道。本筋から逸れた脇道。

これまでの人生、流されるように大人になったとはいえ、それなりに努力は続けてきた。
それなら、一度きりの人生、脇道に逸れることがあったってもいいかなって、そう思いたい。


『岐路』
#5
 ※コトバンク参照

6/9/2024, 2:18:58 AM