匿名。

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また会いましょう




 あなたと出会ったのは10年前。
人が怖かった私に、優しく声をかけてくれた。


 けれど彼女は昨夜通り魔に刺されて亡くなった。

今朝ニュースを見たのだ。

「最後の力を振り絞ってバッグから紙とペンを取り出して書いた手紙には、こう書いていた。」

とアナウンサー。私は真剣にテレビをじっと見ていた。
手紙の内容をアナウンサーが読む。



        私の大切な親友へ

   ごめんね。私、先に旅立っちゃうかも。

   あなたのことを守るって決めてたのに、

     もう守れなくなっちゃった。

    こんなことで守れなくなっちゃうとか、

         情けないね。

          ごめんね。

  私、あなたを守れなかったことが未練になって

    幽霊になるかもしれない。その時は、

    私があなたを隣で守ってあげるから。

       来世で、また会いましょう。



という内容だった。
涙が溢れてきて、私は泣き叫んだ。
そして、泣きながらも声に出してこう言った。


「うん、うん。絶対守ってね。約束だから!
 また会いましょう!絶対見つけ出すから!」


と。




   "また会いましょう。私の大好きな親友。"










    ───────フィクション───────

11/14/2023, 8:48:42 AM