旅の途中
仕事が人1倍 できる友人が心を病んでしまったと聞いた
彼に許可を貰い、会いに行く
「お邪魔します」
昼間なのに遮光カーテンが閉められ、暗い部屋
部屋はいろんな物で散らかり、唯一 座れる場所はベッドの上だった
ふっくらした体型に笑顔が絶えなかった彼は見る影もない程にやつれ、感情が抜け落ちた殻のようだった
ベッドの上に体育座りする彼の隣に腰掛ける
「なぁ、人生って長旅だって言うだろ?
そんな長旅なんだ、途中で休んだっていいだろ」
それだけ言うと彼は静かに泣き始めた
俺はそれに気が付かないフリをしてただ隣に居続けた
「ありがとう…」
泣きはらした目で俺に感謝を伝える彼に「役に立ててよかったよ」と笑うと彼もぎこちなく笑う
彼はこれから回復できるだろう、そう直感が告げる
2/1/2025, 9:07:00 AM