とある恋人たちの日常。

Open App

 
 きらきら、きらきら。
 
 ああ、やっぱり。彼は特別かも。
 簡単にフタを開けてくる。
 
 
 二度目ましての救助をしてくれた時、優しくしてくれた彼を思い出しては胸が高鳴った。
 
 その後もよく助けてくれる。
 病院に行くと治療してくれた。
 
 帰りに好きなものを布教しようと渡してくれたクリームソーダは私の好きな物でもあって、喜んだらもっと喜んでくれた。
 お返しに少し前に作り過ぎたお菓子を渡した。
 
 きらきら、きらきら。
 彼の笑顔は、とてもきらめいていた。
 
 新しいクリームソーダが出た時、彼を思い出して買った。そうしたら彼がお店に来てお出かけしようと外に連れていってくれた。お礼にとプレゼントしたら「俺からも!」と、くれたものが同じもので笑いあった。
 
 きらきら、きらきら。
 
 仕事が好きで、仕事漬けになっていると知ったら、外に行こうと連れていってくれる彼。
 好きなものが同じなことが多くて、色々話してくれるうちに、きらきらがどんな気持ちか分かってしまった。
 
 きらめいて、ときめいていた。
 
 ときめいちゃダメなのに。
 
 色々な人から声がかかることも、モテる人なのも知っている。彼から見たら私はただの患者で、友達以外のものでも何者でもないだろう。
 
 だから、このきらめきにはフタをする。
 
 
 シャッターが開く音がして、振り返る。
 
「いらっしゃいませー!」
「あ、ごめん。修理してー!!」
 
 きらきら、きらきら。
 今日も太陽な笑顔の彼。
 
 せっかくフタをしたのに、彼のきらめきは簡単に開けてくる。
 
 
 
おわり
 
 
 
一一一、きらめき

9/4/2024, 11:54:23 AM