松依 私。

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私の小指には赤く、
弱々しい糸が何処かへと続いていました。

これはあの、
運命の赤い糸と言うやつでしょうか。

すると興味心が湧き、
糸の続く先へと進んでいきました。



それを見た時、私は何も動かず、
ただ呆然と立っていることしか出来なくなりました。

その糸先には、続きすらなく、
胸の前で1本の先のちぎれた糸が浮遊していました。


すると、そこへどこか楽しそうな男女の声が耳に届きました。
2人は、私と同じような赤い糸に繋がれていました。

その瞬間私は、
失恋したという現実に耐えきれなくなり、
後ろに重心が倒れてしまって尻もちをついてしまいました。

ははっ笑,,と、
枯れた笑いが零れて重たく落ちてきた髪を、さっとかきあげて視線を足元に移しました。


恋は、惚れてしまった者が負け,,,なんてよく耳にしますが、本当にそうだと実感せざるを得なくなった私でした。

6/30/2023, 2:27:24 PM