大切なものを持つということは、怖い。
失う可能性を、常に背中に背負うことでもあるから。
その灯りがある限り、
私は暗闇に完全には呑まれない。
大切なものは、鎧を重くする。
でも同時に、背骨にもなる。
壮大な未来予想図はいらない。
ただ、ひとつ。
握れるほどの、その灯り。
その灯りの正体は、ここでは明かせない。
これは警戒心だ。
この警戒心は弱さじゃない。
それを晒すことは、
背中の急所を差し出すようなものだ。
希望がひとつになるとき、
人は強くなる。
削ぎ落とされて、
残ったそれを抱く。
この火種は、未来へ広がってゆく。
腹の底では、もう知っている。
題 たった一つの希望
3/2/2026, 8:49:20 PM