手を組む事が目を閉じることが
対価を徳を積むことだけが
必ずしも祈りの形では無いから
どうかどうか一度きり
これが最期で構わない
‹時を止めて›
きらきらくらくら
花が降る
ひらひらふわふわ
花香る
甘い砂糖漬 金花茶に散らし
弱い陽射しでティータイム
それだけそれだけ強ければ
五感に刻み込めるなら
きっと君を忘れない
きっと今を忘れない
‹キンモクセイ›
アレを止める為に一晩話して、
アレを止める為に泣いたって?
馬鹿を言うない、止まる訳なかろ。
たったがそんな、一人分で。
アレを止める為にゃせめて、
街一つぶっ飛ぶ位の災害か、
皆倒れる位の災厄か、
最低その位は必要だ。
ずっとそうさ、止まっちゃくれない。
どうしたってアレは行く。
‹行かないでと、願ったのに›
小振りの苺と大粒の葡萄
一口サイズの果物たち
ペンを数本 紙一掴み
写真も少し数えるくらい
皆の残した21g
些細な些細な魂の形
私の時はきっと花弁
何枚分になっただろう
‹秘密の標本›
赤い掌を擦っていた
寒い寒い朝のこと
雪も霜もまだ遠い
風の吹き付ける朝のこと
道が赤く染まっていた
朝日だと思い地に触れた
冷たく冷たく粘ついた
掌が赤く染まっていた
‹凍える朝›
暗闇の中に花一輪
輝くからこそ価値がある
光明の隅に雫一つ
落ちるからこそ価値がある
未踏の大地に足跡一人
誰かの勇気に希望に未来に
導くからこそ価値がある
この全力に意味がある
‹光と影›
11/6/2025, 9:15:55 AM