付き合う前の友達期間が短かったから、あなたのことをこれから知っていきたい。最近できた恋人にそう話したら「友達だと思っていたのか」と驚かれてしまって逆にこっちが驚いた。友達だと思われていなかったのか。確かに趣味や嗜好に接点はないが。確かにかなり駆け足で距離を詰めていたが。「押しが強いから相手は引くし、うんざりさせて逃げられる」かつて親友に指摘されたことを思い出す。もしかして今回もまた。「じゃあこれから友達になってほしい」考えるより先に言葉が口をついて出ていた。何を言っているのかと自分でも思う。焦るやら恥ずかしいやらで顔が熱くて仕方ない。そんな自分をどこか愉快そうに笑って「恋人と両方で良ければどうぞ」なんて言うのだからもうお手上げだった。この少し意地悪な友達と一緒に、これから何をしていこうか。
(題:友だちの思い出)
7/7/2024, 10:21:32 AM