雨亭

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たまたま同じ病院で生まれて、たまたま家が隣で、そこから今まで22年の仲の幼馴染は、今年元気な男の子を産んだ。

一年半ぶりに実家に帰って、ついでに(とても会いたくて)彼女と彼女の赤ちゃんに会った。

私たちの1番古い写真より少し小さい彼を抱っこしたら、何だか心が締め付けられた。私たちもこんなに小さく、こんなに手をかけられて、こんなに愛されて育ったのかと。

私たちが似てるのなんて笑うツボくらい。
私は今でも海外を飛び回るのが好きで、彼女は家庭の中に幸せを感じている。

こんなにも近いのに、何一つ同じ道を通ってきていない。
けれど、それでもただ彼女が呼ぶ私の名前に勇気付けられる。
彼女がいる私の人生が好きだと思える。
不思議な縁だし、その縁を気に入っている。

大人になってゆく。会えなくなってゆく。そしていつか死ぬ。
だけどこの不思議な縁は巡るなあと、私の顔を見て泣く彼女の愛息子を見てそう感じた。

12/5/2024, 5:10:19 PM