近づけるのに届かなくて、手を伸ばしたら見えない何かに押し返されるようで、そんな風に思って青ざめた顔を君だけには気づかれたくなかった。
君に全部告げるべきだったのに。
そうすれば、もっと上手く折り合いをつけられたかもしれない。君と道を違えることもなかったかもしれない。全部諦めて、自分なりに覚悟を決めて選んだ道を信じて歩み始めることは、思ったよりもずっと怖かった。
だから私は、君と過ごした蒼い春を、君とすれ違った今もお守りとして胸に住まわせている。
10/19/2024, 12:33:36 PM