ゐろは

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僕には好きな人が居る。
それを知ってるのはこの世界でたった一人。
そう、
僕だ。
だれも知らなくていいし、誰にも言うつもりが無い。
「ねぇ、なんですぎだってこといわないの?」
ぎょっ、とした。
急いで振り返るが、そこにはだれもいない。
気の所為か…、そう思い、僕は此の儘過ごした。

その次の日、好きな人が死んだ。
事故死だった。
否、正確には
「事故死に片付けられた」
打撲痕、骨折、その他複数の大怪我が見られたそうだ。
でも、血は一つも出ていなくて、周りには指紋一つなかったらしい。


「なんて、意地の悪い人なんだ。」

あの声は空耳なんかじゃない。警告だった。
僕が告白しなければ死ぬという。

――神様だけが知っている。

7/4/2024, 11:25:59 PM