針が止まってしまった家族の腕時計はクォーツ時計で、店で電池交換するより新品を買ったほうがいいような安物だった。それでもこの時計がいいと言うので、ボタン電池を購入して、百均の精密ドライバーで交換した。
無事に針が動きだしたら時刻合わせ。昔は電話で時報を聞きながら、ピッピッポーンで針を合わせたものだが、いまは電波時計を見ながら合わせる。
電波を受信して正確に時を刻む時計が発売されたときは、これは便利なものが出たと思ったものだ。
当時ちょっと奮発して電波ソーラー腕時計を買ったが、自分のようにあまり太陽の光を浴びない人間だと、いつのまにか針が止まっていて復活するまで時間がかかる。だから普段から甲羅干し、といっても室内だが光に当てなければならない。
故障して電波を受信しなくなったときの修理費も相当だった。
そう考えると、クォーツ時計には秒単位の正確さはないし電池交換や時刻合わせの手間もかかるが、気軽に使える良さがある。
それに、どんなタイプでも使い続ければ、その人にとってはその時計の針が一番見やすくなるのだろう。
『時計の針』
2/7/2024, 6:47:29 AM