作品16 微熱
やっと伝えられた、この想い。
どうか冗談だと言って笑ってくれ。それが僕への、唯一の救いになるから。
どうか冗談だと言って振ってくれ。そうしてくれれば、今まで君が僕にくれた悲しみも、苦しさも、喜びも、恐ろしさも、恥ずかしさも、嬉しさも、ときめきも、辛さも、憎しみも、嫉妬も、何もかも全部、過去のものにできるから。
だからさ、
だからどうか今だけは、いつもみたいに困った感じの笑顔を見せてよ。
僕の胸を、その表情だけで満たしてくれ。
そしてその表情で、この微熱みたいな淡い思いを、綺麗に消してくれ。
耳が少し熱くなるのを感じる。
この祈りを込めて、もう一回言うよ?
声が震えないように、浅く息を吸う。少しだけ、涙が出てきそうだ。それでも言ってやる。
貴男へ。このくだらない祈りを聞いてくれ。
「好きです。」
⸺⸺⸺
性別特に指定なし。
テストがやばくてそれどころじゃない。
誤字はないです。
11/26/2024, 12:24:48 PM