声が枯れるまで
囁く声が聞こえるくらい、
きみはぼくのそばにいた。
きみの横顔を、
誰よりも近くで見るのはぼくだと、
決めつけていたんだ。
きみがその笑顔の下に、
どんな気持ちを隠していたかなんて、
想像もしないで。
昨日と同じ明日が来る保証など、
どこにもない。
当たり前だと思っていた日々は、
全部消えてしまった。
ぼくはきみの姿を見失い、
大声を出しても遠くて届かない。
どうかもう一度振り向いて。
声が枯れるまで、きみの名を叫び続けたら、
この声は届くかな。
どれだけ遠くても、きみが聞こえるまで。
#64
10/22/2023, 9:46:31 AM