とある恋人たちの日常。

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 先日、恋人の家に夕飯の招待を受けて、食べたハンバーグがとても美味しくてさ。
 今まで食べたことがない美味しさで、胃袋を掴まれてしまったわけです。
 
 もちろん彼女が作ってくれたからと言うのはあるんだけど、食感や溢れる肉汁が本当にたまらなかったんだ。
 
 その日も、その後の日に会った時も、隠し味を教えてと言ってもナイショと笑うだけ。
 暗闇にいる悪魔のようなシッポが見えそうな悪い笑みなんだ。もうズルいよね。
 
 でも、もう一度だけと思って聞いてみる。
 すると夏の日差しの眩しさを感じる笑顔を、俺に向けてくれた。
 
「これであなたの一番好きな食べものは〝私の作ったハンバーグ〟ですね」
 
 
 
おわり
 
 
 
五三三、光と影
 
 
 

10/31/2025, 1:07:09 PM