空を見上げた。ほんの少し欠けた月が、そこには浮かんでいた。「疲れた……」 家への帰り道、私はそうひとりごちる。体力的にも疲れているし、何よりも、精神的にも少し。「あんなの聴いたからにはね……」 それは駅前で響く、曇りもない真っ直ぐな音楽。それは、色んなものを言い訳に何もしていない自分を愧じるには十分なものだった。 雲一つない空に、月が煌々と輝く。きっと、明日も晴れるのだろう。私の思いとは、全く違って。
9/30/2023, 10:21:59 AM