とある恋人たちの日常。

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 そう言えばと思い出す。
 
 出会いは夏。
 気になったのは秋。
 意識して、距離が一気に近づいたのは冬。
 
 一緒にいることか多くなった冬。
 
「どうかしましたか?」
 
 吐く息が白い中、彼女とのことを思い出していた。
 
 急に言葉を止めてぼんやりした俺に彼女が顔を覗き込んで声をかけてくれる。同時に繋いだ手がキュッと強く握られた。ここにいるよと伝えるように。
 
 俺は安心させるように笑う。
 
「ごめん、ぼんやりしてた」
「危ないですよ?」
「うん、ごめん」
  
 何か悩みがある訳じゃないと伝わったのか、彼女も柔らかいほほ笑みを俺に返してくれた。
 
 
 今はずっとそばにいる。
 
 
 
おわり
 
 
 
二一六、冬は一緒に

12/18/2024, 1:14:09 PM