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「私とあなたじゃ住む世界が違う 第二話」

「ラピス君のグッズだ…うわっ!入手困難なのまである!」
梨々華は、ラピスのグッズを目の当たりにして、目を丸くして輝かせていた。
「お願い!どうか零也とお近づきに…」
「…うーん、持ってるのもあるけど、無いのが結構あるから良いよ」
「やった!」
志那は、小さくガッツポーズをした。
「じゃあ、早速、零也を呼ぶね」
梨々華は、零也を呼びに行った。
「零也ー、志那が呼んでるー」
梨々華は、志那の元に零也を連れて来た。
「…斎藤さん?何スか?用って」
零也と初めて話した志那は、緊張のあまり声が震えて来た。
「…あ、えーと、この前、帰り道でレンタルオフィスでプログラミングの課題片付けてるの見かけてつい…」
志那は、自分でも何を話しているのか訳が分からなかった。
「…それだけ?」
「何か絵を描いてるみたいだったけど、遠目から見ても凄く上手いなって思った」
「ありがとな。用がそれだけなら、もう行くよ?」
「…うん」
零也は、教室の外に出てしまい、志那は、肝心の所は聞き出せずに終わりました。
「二人きりにならないと聞き出せないかな…?」

「スゴイじゃん!あの零也と話したんだって?」
由里は、志那の話に興奮していた。志那は、押され気味だった。
「んで、何で零也と話したの?忘れ物?生徒会からの指示?ひょっとして、恋…?!」
「そんな大げさのじゃないよ…実は…」
志那は由里にレンタルオフィスの件の話をした。
「…単にプログラミングが趣味なだけじゃない?そんな芸能人、うちの学校には居ないよ」
「じゃあ、見間違いか…」

下校時間になって、志那は再びレンタルオフィス街を訪れた。
「今日は居るかな…?ひょっとしたら、勘付かれて危なくなったら、もうココには来なくなるかも知れないけど」
この前に来た場所に来ると、ノートパソコンをイジっている零也の姿があった。
「今日は、何やってるんだろ?」
志那は、再び双眼鏡アプリを使おうとした時、
「…あー!オリ曲思いつかねー!」
と、零也の叫び声が聞こえて来た。
「零也って、歌い手?」

家に帰った志那は、『カインド』の動画を調べ始めた。しばらく検索してると、フロンティア・ウォーカーと言う歌い手グループの初投稿動画を見つけた。4人グループらしく、そこに零也の姿もあった。
「本当に歌い手だったんだ…活動を始めてから、まだ4ヶ月くらいしか経ってないみたい」
志那は、動画をしばらく探ってみた。
「一度、解散しようと考えた時もあったんだ…」

8/25/2022, 10:28:28 AM