『後悔』
(男性同士の恋愛を匂わせていますので、苦手な方はお逃げくださいませ)
駿斗ver.
あんなこと、言うんじゃなかった。
「俺…お前のことが好き。春飛のことが好きだ!」
「えっ…!?」
驚いた顔のまま、固まってしまったアイツ。
小2の時に出会って10年。
知り合ってからのほうが長くなった。
いつの間にか、俺の気持ちは友情から恋に変わっていて。
でも、何とはなくだけど…
アイツも、俺のこと?
なんていうことがあったから、大学で遠くへ行くアイツに思い切って打ち明けた。
俺の本当の気持ち。
アイツが好きだっていう気持ち。
でも、アイツは固まってしまって、俺は怖くてその場を逃げ出したんだ。
言わなきゃ良かった。
あんなこと、言わなきゃ良かった。
そしたら、気持ちを隠したままでも、親友ではいられたのに。
もう、顔も会わせられない…
なに、やってんだろ俺。
春飛ver.
ウワッ!
ビビった、突然の告白って。
思わず頭が真っ白になって、固まってしまった。
てか、言うだけ言ってそのまま走り去るって。
なんか、駿斗らしい。
返事聞けって。
にしても、本当は俺も今日、告ろうって思ってたのが、先を越されて一瞬反応しそこねちまった。
ちょっと悔しい。
コクってくれた時のアイツの顔、真っ赤で可愛かったな。
さて、追いかけて、今度は俺からちゃんと話をしよう。
俺からじゃなかったのが残念だけど。
うん、まあ、仕切り直し。
晴れて両想いになるように、今度は俺から告白しよう。
アイツ、どんな顔するだろな。
5/16/2023, 10:06:20 AM