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どんよりと雲が垂れ込めた泣き出しそうな空をただ眺めている
分かっている
泣きそうなのは空じゃないことぐらいは
紗がかかったように視界がにじむのは霧が出てきたからだというわけではないことも

「ひとりだなあ」
ぼそりとつぶやく

「ひとりだねえ」
返る声はない

空が泣いたら共に泣こう
傘も持たずに靴を履き、うすもやにけぷる世界に飛び出した

――結局、雨は、降りそうで降らず
結局、わたしも、泣きそうで泣かなかった

ただどんよりとした雲の下
ぼんやりぼんやり空を見上げてひたすら歩き、霧で濡れ、体を冷やし、風邪を引いた

そんななんでもない一日
メランコリックな日曜日

2/25/2023, 8:07:13 PM