しーな

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ピピピピッ..... ピピピピッ.....

あぁ、うるさいな。

カチッ

ふぅ。

目が覚める。
今日は休日だ。
今日は、というか、受験当日まで、勉強漬け。
布団から出る。
トイレに行く。
手を洗う。
顔を洗う。
朝ごはんを作る。
朝ご飯は、いつも白米とお吸い物とスクランブルエッグと納豆だ。

「いただきます」

食べる。

えっと、リモコンは...っと、あった。

ポチッ

適当に流れているニュースを見る。

「...」

黙々と食べる。

「ごちそうさまでした」

片付ける。
着替える。
机へ向かう。
勉強開始。
いつものルーティン。

ただ、最近このルーティンが乱れてきている。
今日だって、ほんとは朝食後に歯を磨くはずだったのに磨き忘れた。
何が原因なのかが全くわからない。
ただ、一つ心当たりがあるのは自分の気持ちを一切無視してルーティンを行っていることだ。
勉強だって、前は楽しかったのに今では大嫌い。
たまに目の上がぴくぴく痙攣する。
調べたらどうやらストレスが原因らしい。
ただ、ルーティンを崩すわけには行かないので、無視。
受験当日までの辛抱だ。

【なんでこんなことをしてるんだろう。嫌だな。死にたいな。】

...え?
今、僕、なんて思った...?
嫌だ...?死にたい...?
いやいや、そんなわけない。
たかが一年我慢できないやつなんか落ちて当然。
まだ一年あるけど、対策は早いほどいい。
だめだ。我慢。

【そう思ってるんでしょう、君は。ねぇ、君はどう思うの?死にたくないの?勉強したいの?】

...。
うるさい。
黙って。

【そうはいっても、私は、君なの。君だけど、君はわたしのことを止められないよ。】

うるさい。うるさいうるさい。
ほんとに黙って。
集中できないから。
数学の問題はじっくり考えないと解けないんだよ。
だから、黙って。

【無理。そもそも君がわたしを我慢してきたのが悪いんでしょう?今まで我慢していたけれど、もう、無理だよ。】

なにそれ。
よくわからない。
いいから黙れ。

【...。うるさいのはどちらだろうね。わたしが死にたいって思ったのは君のせいだからね。君のせいで、わたしが死にたいと思ってる。君はわたしだから、君も死にたいって思ってる。勉強が嫌だってわたしが思ってるってことは、君も思ってる。勉強やめようよ。】

ほんとに黙れよ。
いい加減にしろよ。
全然集中できないじゃないか。
黙れ。
黙れ黙れ。

【うるさい。早く勉強をやめて。ゲームとかしなさい。遊びなさい。】

「黙れよ!!!」






っ...。








ふぅ、やっと集中して勉強ができる。




フワッ

...?


な、なんだ?
体が、浮いてるような...。



バタッ







...................。




【君がわたしのいうことを聞かないからそうなるんだよ。君は、わたしだからね。わたしが限界と感じたから君に話しかけたのに、君が無視したから限界がきた。わたしは、今まで水面下にいたけれど、器から君の気持ちが溢れ出そうになってたから。まぁ、それが君の選択だったんだよね。どうなっても、知らないから。じゃあね。】

             溢れ出る気持ち

2/5/2023, 1:41:15 PM