『雨音に包まれて』
今日はずっと晴れの予報だったはずだ。
それなのにそれは暗いし世界は音を立てて濡れる。
近くに丁度いい公園があってそこで急遽雨宿りをしている。
空気が湿気っていて肌がベタついている感覚と
濡れた服がピッタリと貼り着くこの感覚が
梅雨だということを教えられた気分だ。
車が走る音も急な雨に走り出す人の声もあるはずなのに
やけに静かだ。
目を瞑れば雨音しか聞こえない。
柔らかい砂に当たる雨粒と
公園の遊具に当たる雨粒は音が違う。
そんな雨音に包まれているのも悪くないと思った。
...肌も衣服もべちゃべちゃじゃなければ。
語り部シルヴァ
6/11/2025, 11:05:53 AM