一度触れてしまったら最後。その呪いからは逃れられない。全てを見透かしてしまいそうな鋭い瞳も。私を焦らすかのようなその態度も。全てが愛おしい。忘れたくても忘れられないあなたの姿。離れたくない…、けれど離れなければならない。だから私は、あなたから手を離して駆け出した。『はぁ、はぁ…すいません、遅れました』「遅刻の理由は…?」乱れた呼吸を整えた後、私は先生の瞳をまっすぐ捕らえて言った。『…猫を、触ってました』
10/17/2022, 1:03:48 PM