「ねえ。良いでしょ?おねがい」
「仕方ないなあ」
君の“おねがい”は無敵だ。僕はこれまで1度も断ることができていない。その目で見つめられると何でもそのおねがいを叶えてあげたくなる。瞳に吸い込まれそうになる。だから主導権はいつも君だ。
でもたまには僕が有利になりたくて。君の目を真正面から見つめてみた。綺麗な澄んだ瞳。その中に僕が映り込んでいる。
「……駄目だ」
勝てる気がしない。君の目を見つめると思考が麻痺する感覚に囚われる。もう理屈なんかじゃなくて、ただただ君のことが好きなんだよ、僕は。
だから今日も君のおねがい、叶えてあげたくなる。仰せのままに、お姫様。
4/7/2024, 9:58:55 AM