しいな

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一番星まで。

彼は太陽のようだと、同じ事務所に所属する奴等は評する。知識に明るい、目映い笑顔、良く通る暖かく時には日陰もあるような木漏れ日のような歌声。

人間誰しも二面性があり、裏と表を使い分けて生きているのだろう。
僕だってその一人だ。ファンの望む完璧なアイドル像と、元医師として姉さんの身体を蝕んだ病気を根絶するために邁進する自分はかけ離れている。

だから、奴にも僕達ですら知らない一面があるはずだ。太陽のような目映さとは裏腹に、酷く冷静で理知的な姿を持ち合わせているのだろう。そうでなければ大手の弁護士事務所に所属しておきながら、勝算なしに安定した生活を手放すことはなかったはずだ。

直に目を当てることで失明してしまうほどの光源ではなく、皆を包み込むような光。きっと知っているのだ、自分の価値と他者に与える影響を。月を照らしだして他の者を輝かせる。全く、小賢しいことだ。あいつのくせに。

8/6/2023, 12:39:04 PM