現実逃避
夢の中で
私は空を飛ぶ
翼はない
地表を滑るように飛ぶ
風はいつだって心地よい
そしてうまく体に力を込めると
雲の上まで飛ぶこともできる
鳥のように自由にみえるけれど
実はなかなか疲れるしとても怖い
空にも不自由はあったのだ
墜落して目が覚めると
布団のありがたさに安堵する
あるいは金縛り
手足を動かそうと意思すれば
きっと動かない現実に直面してしまう
だからあえて動かさない
ただ恐怖に耐えている
目を開けてしまえば
胸の上に乗って居る何物かを見てしまう
だからあえて目を閉じている
恐怖感と緊張感だけがリズム良く高まっていき
パチンと目が覚めると
やっと束縛からの逃避に成功する
生きることが辛いとき
食事も 呼吸も 辛いとき
死は「逃げ場所」を自称して私を誘う
楽になれる薬があるよ
でも と私は反論する
夢の中にだって現実はある
死んでプリンセスに生まれ変わっても
私はいっだってわたしだし
いつもベッタリ現実とくっついているじゃないか!
逃避した先にも現実は待ち構えているのだ!
いつだって現実から出られないじゃないか!
すると私に論破された死は
魅力を失ってしぼんでゆく
一応 死には勝ったけれど
この現実とどう生きて行こうか
また途方に暮れながら
わたしは腹を膨らませて息をしている
2/28/2026, 9:56:41 AM