男子高校生の妄想

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拝啓
別れ際に、今生の別れかもしれない卒業式の今日に、どうしても君に伝えたいことがあるのです。君を僕との縛りから解き放つために…
はあ、体が重い。制服を上から無理矢理着たせいか暑い。呼吸が……荒い。

廊下を走って君を探す。
教室……いない。
体育館………いない。
部室……………いない。
校門前の集団……いない。
一体どこにいるって言うんだ。

あ。あそこかも。あそこなのかも知れない。
君も僕と同じことを考えているならあそこにきっといるはず。屋上のさらにその上。この学校で一番太陽に近いあの場所に。

はぁはぁ……
疲れた…
呼吸が乱れてちゃダサいよね。
………
よし!行こう!!

やあ、久しぶり。なんだかんだ受験があったし会うのは本当に何ヶ月ぶりかだね。今日は伝えたいことがあって来たんだ。もう人生で会うことがないかも知れない君に。少しの間だったかも知れないけどお互いがお互いを愛し合っていた関係だった君に。これからそれぞれの道へ進んでいく僕たちの関係に今日で終止符を打とう。

ん…
なに?よりを戻そう??

……ごめん。それはできない。
俺には他に好きな人が出来たんだ。
君より頭が良くて、運動もできて、とてもかわいい子なんだ。
だから悪いけど……
うん…じゃあ、またね。



これで良いよね……

半年後、僕は病室で君に気づかれることなく息を引き取った。

9/28/2024, 5:32:24 PM