ぱれえど

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 柔い陽光が目に染みる。
 ガラスを隔てた向こう側には羽を休める小鳥。
 かわいい子、と口元が微笑みをかたちづくる。

 目が覚めるといつも違う寝床。隣に誰かがいたり、いなかったり。瞼を持ち上げる瞬間の微かな期待と、それを裏切る痛みとともに朝を迎える。徐々に迫り上がってくる不快感が、昨日の私はまた同じ罪をおかしたのだと告げる。
 遊びではなくこれが仕事。好き嫌いは許されない。いまさら拒否することもできない。だけど難しいことではない。ただこの仕事を好いて、誰かの愛に沈めばいい。従順にしていれば、それ相応に優しくしてくれる。もっとと強請れば、欲しい言葉もくれる。この世界はなんだかんだ私に甘い。だから私はこの仕事が嫌いじゃない。
 だけど、もう少しだけ、わがままを言っていいのなら。


「私、子どものままでいたかったな」


 どこまでも純で、求めずとも愛を注がれる存在のまま。
 私はたったひとりだけと愛に溺れたい。


 なんてね。私って、案外ロマンチストでしょう?
 隣に眠る誰かに口づけを落とす。昨夜はそれなりに気持ちよかったから特別だ。
 そっとベッドから降り、私はまた罪のもとへ向かう。
 
 さぁて、今日は誰に愛されるのかな。

 

5/13/2023, 1:41:48 AM