正直、期待はしていなかった。周りは敵だらけで信じられるのは自分。少し前まではそう思っていた。目前にあるおむすび。視線を持ってきた本人ーニコニコ笑う幼子は今か今かと受け取ってくれると信頼しきった目で少年を見ていた。どうして,自分なのか。特に何もしなかったのに。内心そう思ったけど。(悪くない。)久しく感じなかった無償の信頼、好意を無碍にはできないと、おむすびに手を伸ばした。何も入っていなかったがどんなおむすびよりも美味しかった。
6/3/2024, 8:51:21 AM